こんにちは、yukariです。
私が未亡人になりかけた時のお話(後編)です。
旦那さんが突然倒れ・・・というか、現状の把握もままならないまま、緊迫した雰囲気にどうしたらいいのか・・・
これから、どうなってしまうのだろうか?そんな不安でいっぱいでした。
命を助けるだけ・・・・
検査が終わり、診察室に呼ばれた私たち。
旦那さんはすでに集中治療室に移されていました。
「旦那さんの状況は極めて深刻です。」
レントゲン写真を見せられながら、説明されたこと。
「ご主人は、脳出血で意識も朦朧としています。」
「現在の状況としては、手術をして命を助けるかこのまま死を待つかです。
手術を今すれば命を助けることは出来ますが、命が助かったとしても、後遺症などが出ると思ってください。
半身不随や言語障害などが出る可能性が高いです。社会復帰も出来るかどうかわかりません。
しかし、私たちは、命を助けることだけを最優先に準備は進めています。他の先生たちも病院に向かっています。
どうされますか?手術をしていいですか?」
命を助けるだけ・・・・・という言葉が今でも印象に残っています。
生きるか死ぬか・・・・生かすか殺すか?
「助けますか?助けませんか?」という感じの質問をされて、
助けない選択肢があるの?どういうこと?
さっきまで、普通に話もしてたし・・・・助ける、助けないって何よ・・・・
私が決めるの?もうすぐ子供が生まれるって時に、旦那は死ぬの?
どういうこと?
私は「助けてほしい・・・に決まってる・・・」
でも、母はすごく冷静でした。
「今は考えられへんかもしれんけど、よく考えなさい。旦那の介護をしながら子育てするのは無理やと思う。残酷やけど、あんたの身体の方が心配や。あんなに脳出血がはっきりわかるレントゲンなんて見た事ない。」と言われました。
なんて酷いことを言うんだろうと思いましたが・・・・
それで、少し冷静になった。
そしてお腹の赤ちゃんも動いてた。わたしは臨月でお腹は、はち切れそうな状況・・・・自分のこれからもわからない時に旦那の生死を決める事になるなんて・・・・
未亡人なるん?初めての出産やのに?・育児は?・旦那は死ぬの?介護するの?体動かなくなるの?私今日から産前休暇ちゃうの?どうやって生きてくの?・・・・・パニックで色んなことが頭の中を駆け巡っていきました。
でも、その中に、何一つ答えを見つけられず。
かわりに、涙があふれて止まりませんでした。
決断
でも、泣いてる場合じゃない。私が決めるしかない。
考えないと・・・・
でも、何を考える?
旦那を助ける?助けない?
助けない選択なんて・・・・出来る?
助けませんなんて言える?
・・・・そんなん・・・無理。
「命だけでも、助けてください。」
そういうだけで、精いっぱいだった。
手術
その日の夜から急遽始まった手術は翌日の明け方まで続き、8時間以上にも及ぶ大手術でした。
頭蓋骨の一部を外して出血を止めるというものでした。
脳が腫れてくると頭蓋骨をはめられないので、脳の腫れがひいてから、頭蓋骨を戻す手術をもう一度するとのことでした。
また、病院に来た時に、右手の握力が弱っていた事、右足を引きずっていたことで、右半身不随になる可能性が高いと言われました。また、言語を司る場所の近くで出血していたため、話す事が困難だったり、記憶の障害があるかもしれないとも言われました。
手術の末、無事に一命はとりとめることが出来ました。
頭の中で出血が続いていたので、かなり危ない状態だったが手術は成功したとのことで、安堵しました。が、意識が戻るまでわからない。
少しならと面会できたものの、口には酸素の管がつながり、両手には点滴、胸には心電図とたくさんの機械に繋がれていて、とても痛々しかった。
まだ麻酔が効いているので意識が戻るまで時間がかかるとのことで、一度自宅に帰って、入院の準備をしてくることになりました。
本当によかったのか?
一命をとりとめ一安心した私は、ふと考えました。
あの時は、生きていてほしいと思った。
でも、後遺症が残って、体が思うように動かなかったら・・・どう思うだろう?
「助けてくれてよかった」って思ってくれるだろうか?
なんで助けたんだって思わないだろうか?
私なら、体が動かなくなってしまったら、助けてほしくなかったと思ってしまうかもしれない。
そんな思いを抱えながら、病院へ向かいました。
暴れてましたよ。
病院に着くと、看護師さんから「旦那さん、先ほど意識が戻ったんですけど、暴れて手が付けられなかったので、まだ安静が必要なので、薬でもう一度眠ってもらっています。
男性の看護師5人がかりで、何とか止めたんですが、また麻酔が切れて、暴れて貰っては困るので、手と足をベッドに固定させてもらっていますので。」と
「本当にすみません。」と謝りつつ
病室に着くと、確かに手と足がベッドに包帯で括り付けられていました。
そして、主治医の先生から、「さっき暴れたときに、両手、両足が動いていたので、体は動きそうですよ。よかったですね。」と。
「・・・よかった!」
とりあえず、体が動くならよかった。
そして、しばらくすると、意識が戻り、無事を確認できました。
一応、私の事も忘れてなかった(笑)
意識が戻ると、お腹が空いたとのことで、食欲もあり先生もびっくりの回復力で、無事に元気になりました。
奇跡的に後遺症もほぼなく、言葉が詰まる事や、言葉が思うように出てこないことがあるみたいですが、日常生活は問題なくすごせているので、本当によかったなと思っています。
そして、倒れてから一か月半後の出産にも立ち会うことができ、息子が産まれて一番に抱っこもしていました。
あの時、病院に行った方がいいと言ってくれた会社の上司さん、非番だったのにその時病院に居られた脳外科の主治医の先生、旦那の為に集まってくれた先生方や看護師さんたち、たくさんの人に助けてもらえた事に感謝しかありません。
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